投稿日:2013年11月28日
博報堂生活総合研究所は、今年生活者が関心を示したと思われるモノやサービス、コンテンツ事例(ヒット商品)について、【今年のときめき】と題した調査を実施し、今年の生活者の消費心理や志向の変化についての分析を行いました。(調査対象:15~69歳の男女 1,008人)
ランキングの1位となった【2020年東京オリンピック・パラリンピック開催決定】は、「これを機に日本が大いに発展すると良い(21歳女性)」「日本を元気にする起爆剤となって欲しい(66歳男性)」など、多くの生活者が日本復活へ向けたのろしのように感じているようです。私たちを取り巻く環境には、被災地の復興や経済・社会不安など、まだまだ課題は山積みですが、生活者は「日本」に再び希望を持ち直し、それが消費のときめきに強く映し出されています。
住宅関連では、「スペースリノベーション」が5番目に上がり、62.5%の人がときめいていました。古い建築物の良さを生かして、サザエさんのような「しあわせの原風景」をモダナイズして暮らしの中に活用することなどにもひかれてヒットしました。
また6番目に「低価格デザイン雑貨店」があがり60.8%の人がときめきました。IKEAに始まる北欧雑貨の「低価格でオシャレで生活便利」なものに人気が出ましたが、その底流には、素材はありふれたものであるがゆえに、デザインにこだわり、色のバランスにこだわることで、生活に彩をそえられるというものです。同じことが、「100円ショップグッズ収納」などても流行りました。これらは住宅自身は汎用性の高いデザイン・機能であっても、個々のアイデンティティで暮らしを彩るという感覚です。ユニクロのTシャツにユザワヤのワンポイントでパーソナリティを表現するのと似ています。
「節約」「デフレ」に疲れて、「プチ贅沢」にはけ口を求めているのと、時代の閉塞感から「小さな光」の突破口を求めているのが2013年であったかもしれません。