投稿日:2013年11月26日
アメリカの住宅価格を算出しているS&P社の「ケースシラー住宅価格指数」の最新のデータである2013年8月はリーマンショック以来の最高値となりました。
アメリカの主要都市20都市の住宅価格指数の2013年8月は164.53となり、リーマンショックによる暴落後での最高値をつけています。
リーマンショック後は150ポイントを超えることができずに、150を天井としながら緩やかに下降を続けていました。それが2012年2月の134.08を底に回復を見せ始めて、一端145ポイント前後で踊り場となりましたが、2013年4月に150ポイントを突破してから8月には164ポイントまで上げました。これは2008年8月以来の高さで5年ぶりとなります。
リーマンショックによる不動産価格の暴落で売れない不動産が市場にあふれていましたが、それが徐々に売れてきて、ようやく在庫が底を打ち始めているためです。
特に大都市での回復が見え始めていて、200ポイントを超える都市が出てきています。その中でもロサンゼルスが最高となっています。
ロサンゼルスは2013年6月に200ポイントを超えて、8月には210.49ポイントをつけて全米で最高値となっています。自動車産業の好調とIT産業の好調などがあり、人口が増えていて郊外開発が引き続き行われているなど都市全体が活況です。
逆に、デトロイトなどは依然として100ポイントを割っています。
デトロイトは92.54ポイントで全米でも最低となっています。7月に財政破たんして公共サービスが停滞しているなど、住宅・土地の売りが圧倒的に多くて買い手がほとんどいないために、値段がつかない状態です。昔は自動車産業の本社が集中する活気ある都市でしたが、主要産業が停滞すると人口が減って住宅開発も止まってしまっています。ただそれでも1980年代に形成された富裕層が住む郊外の街は依然として豊か街となっていまし、市民レベルで街を再生しようという動きが出ています。産業・雇用が回復すれば人口が増えて、住宅価格も回復に向かうと思われます。