投稿日:2013年10月24日
厚生労働省が雇用促進住宅の入居可能なリストを発表しました。全国で689団地で1万6338戸と大量にあります。逆に言うと、県別や築年に偏りがあるために空いているといえます。
一番多いのは福岡県です。47団地で1788戸も入居可能戸数があります。九州各地から就職で入ってくる人が多いので雇用促進住宅が多くてもおかしくないのですが、入居可能のほとんどが1980年以前の建物で古く、間取りが3DKと入居希望者とミスマッチしているために、家賃は3万円以下で安いのですが利用されていません。
次が岡山県で52団地・1470戸あります。これは入居希望者が少ないために余っているといえます。また建築年が1970年以前が多く、間取りが2Kと賃貸住宅としては人気の無い物件となってしまっています。
需要の多い愛知県などでも1209戸と多く余っています。岡山と同じで1970年以前の2Kが多いためです。それぞれの部屋の㎡数がわかりませんが、旧建設省の団地仕様であれば3DKで55㎡ですので2Kだと40㎡前後となると考えられるので、狭いといえます。それと新築一戸建ての標準設備の一坪タイプシステムバスの広く・明るく・清潔なのをみてしまう、1970年以前の2Kのタイル貼りの古い風呂は我慢できないでしょう。そのために家賃並みの住宅ローンで新築一戸建てが買える地域は、雇用促進住宅に入居する希望は少ないといえます。
それからすると東京都は4団地・46戸しか入居可能戸数がありません。新築一戸建て分譲及び分譲マンションの価格が高いために家賃並みの住宅ローンでは買えないためです。東京都で入居可能な物件の家賃は3万7000円前後です。これは東京都としては安いといえます。建築年が1970年以前と古くて、八王子市やあきる野市などで交通利便性がやや悪いためです。江東区などの1998年建築の2LDKなどは人気で入居可能戸数はゼロです。
雇用促進住宅は低賃金で家族をかかえる労働者のためには良い住宅なのですから、リフォームをするなりして、安くても「快適」で「おしゃれ」な住宅にするべきでしょう。その費用が無いのなら、入居者負担で自由にやってもらったらいいと思います。若い夫婦はIKEAなどで「安くてもおしゃれな」家具・雑貨を買ってきて、古い団地を驚くほど「美しくて快適に楽しく」暮らします。厚生労働省のお役人の固い頭では思いつかないでしょう。