投稿日:2013年10月21日
アベノミクスによる金融緩和や円安からの資材高騰で新築一戸建て分譲の販売価格が上がってきました。また土地の価格も上がっていますが、それは全地域というわけではなく、東京都心を中心として交通利便性の良いところや人気の街が中心です。
国土交通省の公示地価の参考資料の中にも「人口密度の高いエリアは相対的に土地が高い傾向にある」となっていまして、人が多いところは土地の需要が多く、土地価格が上がりやすいといえます。逆に人口流出となると、既存の家屋で空家が増えて、世帯数よりも住宅ストックの方が多くて、新規の住宅建設があまりないので土地の需要がないため土地が下がります。
そこからして、現在販売中の新築一戸建てでも「買ってはいけない」物件が多く存在します。では、どんな物件が「買ってはいけない」のか、現在販売中の物件で建物完成後一年を経過して販売長期化している物件から抽出してみます
①地元需要以上の大型開発。
実例「東武越生線・東毛呂駅徒歩25分の184区画分譲で販売中67区画」
東武越生線・東毛呂駅から徒歩23分の大型分譲です。埼玉県の西側で秩父山脈の手前の里山にできた大型分譲地で、入間カントリーが隣接しているので緑豊かな場所です。そのため東毛呂駅から池袋駅まで62分とかなりあります。行きはまだいいのですが、帰りは電車の時間がズレると下手すると2時間近くかかり、通勤としては厳しいものがあります。高速道路の関越自動車道と園央道が比較的に近いので、工場が多くありそこへの自動車通勤なら絶好といえます。そのため、もともとこの土地は工場需要などが主体なのですがその工場需要は一定量しかありません。そこに100区画以上をすることに無理があり、販売が長期化してしまうのです。
交通利便性や生活利便性が良くて安い物件を探している人は、東武東上線の坂戸市内で1980万円の物件を買ったほうがいいでしょう。
②もともと住宅地でなかったところに新築一戸建て分譲を開発。
実例「茨城県取手市椚木の総戸数80棟分譲で36戸販売中」
JR常磐線の藤代駅・徒歩23分で、駅前の閑静な住宅地を通り抜けて、田園地帯を歩いた先の大型の住宅地になっています。JR常磐線は交通利便性は良いので、駅前開発は良いのですが、この物件の立地は近くに水神宮があるなど、利根川と支流の小貝川に囲まれた三角州のような立地で、水田開発に適した土地です。そのため長い間水田であったために地盤は弱いと推測されますので、住宅のための普通の地盤改良では首都圏に大地震がくると不動沈下してしまう可能性が高いでしょう。ここの開発が始まったのが東日本大震災前であるために、我孫子のような地盤沈下を想定していなかった物件です。今から本格的な地盤対策をするとなると一戸当たりで数百万円かかってしまいます。そのめに販売価格が1490万円と安いのです。
ただ「30年以内に70%の確率で地震が来る」と言われているのに、地盤対策の施されていない立地に住むのは、「こない確率30%」に掛けるという無謀な掛けをすることになります。住宅ローン35年の間の「安心・安全」が得られません。
③販売価格が路線価と大きくかい離。
実例「船橋市・東葉高速鉄道の船橋日大駅の郊外新規開発総戸数113戸で35戸販売中」
東葉高速鉄道は不人気な路線ですが大手町駅まで35分という近さがいい点です。ただこの船橋日大前駅の超大型開発で新築住宅の供給開発はたくさんあるのですが、高すぎるというのが評判です。
この物件も3950万円するのですが、これが築20年となり中古相場となると1580万円まで下がってしまいす。つまり20年経った時に住宅ローンはまだ2000万円以上あるのですが、物件価格は1580万円にしかならないで、500万以上損してしまうといことです。
このような例は郊外の大型開発によく見られるのですが、閑静で美しい街ができてきて4000万円以上するので資産価値はあるだろうと思いがちですが、路線価が30万円以下と評価されていて、50坪でも1500万円しない場合が多いです。それに建物は20年償却で資産残高ゼロと査定されてしまいます。すると新築一戸建てで4000万円しても築20年すると1500万円ということになり、住宅ローン残高の方が多くて、もしリストラなどで毎月の住宅ローンが支払えなくなると「自己破産」になってしまいます。
いかにおしゃれな開発型大型分譲でも中古となると路線価評価になってしまうためです。路線価よりも高く売れるケースは吉祥寺や世田谷のように人気で住みたい・買いたい人が多いエリアです。そのエリアが鎌倉のように文化的に発展するとか、おしゃれな商業・アウトレットが集積するとか、さいたま市浦和のように公立教育がトップクラスになるとか無いと、路線価以上の評価は難しいです。
このように現在販売中の新築一戸建て分譲で買ってはいけないのは、地元需要・文化に即しないものです。
・地元需要は一定量しかないので、それ以上の供給開発は売れない。
・田園地帯は水田むきの土壌であって、住宅地にするなら大規模な改良が必要になる。
・販売価格と路線価のかい離が大きいと「自己破産予備軍」になる。
これが「買ってはいけない戸建分譲」の3条件となります。
逆に「買うべき戸建分譲」はこの逆になると言えます。
・需要の多いところ。人口流入が多いところ。
・地盤の固いところ。
・路線価と販売価格が近いか、かい離があるときはそれを埋める理由があるところ。