NEWS&TOPICS

消費増税駆け込みで新築一戸建て分譲の住宅着工戸数は近年の最大に。

投稿日:2013年10月17日

マンションの販売戸数が前年比+77%で契約好調で、消費増税の駆け込み需要で販売を前倒しした結果と報じられていますが、マンションの新規販売物件は引き渡しがもう来年の3月には間に合いません。通常は着工=新規販売から引き渡しには2年以上かかります。9月の新規販売というのは、すでに完成もしくは完成間際で来年3月までに引き渡せる物件を期分けと称して売っているだけです。

マンションの新規販売戸数のもととなる住宅着工戸数は増えていますが、新築一戸建ての伸びを下回っていて、消費増税駆け込み需要の取り込みはマンションから新築一戸建て分譲に完全に移っています。

住宅着工のマンションと新築一戸建て分譲の戸数の推移をみると

マンションは月の凸凹が多いために過去1年の移動平均でトレンドをみています。新築一戸建て分譲も同じ12ケ月移動平均をとっています。

それによると2012年1月には新築一戸建て分譲の着工戸数は9751戸でマンションは9707戸とほぼ同じ戸数となってました。この9700戸前後というのは人口をもとに計算する分譲購入基礎需要の戸数に合致するので、2012年1月はほぼ需要どおりの着工になっていた「平穏期」でした。

それがマンションは2012年4月にかけて着工戸数を増やして1万戸を超えました。これが消費増税駆け込みに間に合う着工となります。そのために新築一戸建てとマンションの戸数に乖離が出ています。

2012年の11月には再び新築一戸建てとマンションの着工戸数がほぼ同じとなりました。ただ1万戸超えのため需要よりも+400戸は多い水準です。デベロッパーが自社の販売計画達成のために用地仕入れ・着工を増やしてきたためで、需要とは乖離していました。

2013年に入り新築一戸建ては毎月着工を増やしています。これは消費増税駆け込み需要目当ての着工となりまます。ただマンションも付いてきていて、これは低層マンションなどで消費増税に間に合う物件があり、その着工が増えたものです。

それが4月にはマンションの着工は大きく減りました。消費増税駆け込み着工の終了です。

ただ6月にはマンションの着工戸数が新築一戸建てに追いついてきました。消費増税需要は終わったのですが、景気回復や外人投資などが動いてきて実需9700戸にプラスオンされて契約好調なのを見越して着工してきたものです。

ただ新築一戸建て分譲はまだまだ消費増税駆け込み需要を取り込むことができるために8月には1万837戸と基礎需要9700戸から+1000戸増やしています。ですのでマンションの着工よりも増えています。

ですのでマンションが消費増税駆け込みで増えたということではなくて、消費増税の駆け込みは新築一戸建ての着工を押し上げているのです。

トラックバックURL

ページの先頭へ