投稿日:2013年10月2日
新築一戸建て分譲住宅の9月の新規販売は1万1497戸で前年同月比▼7.6%と減りました。8月が1万3210戸と多かったためで、8月・9月の2ケ月平均では1万2354戸となりほぼ前年並みとなりますが、通常は1万戸前後なので多いと言えます。
その価格は3332万円で前年同月比+15万・+0.4%とほぼ同じ価格となりました。
平成24年4月からの新築一戸建ての新規販売の戸数と価格の推移をみてみると
新規販売戸数は昨年4月から8月までは平均9122戸と少なかったです。ユーロ危機による円高で輸出が不振となり景気マインドが低迷したためです。価格は平成24年4月に3208万と直近の安値となっていました。ただ7月には3322万まで100万円上げました。新築一戸建ての新規供給意欲は強くて土地仕入はしているために、景気低迷なので、立地の良い売りやすい物件を先にだしてきたために戸数は少ないのですが価格が上がったのです。
それが平成24年9月に新規販売戸数が1万2441戸と大きく増えました。8月までに販売を控えていたものが一気に出てきたものです。そして10月以降は平成25年2月まで平均1万1000戸前後と通常よりも10%多く出してきました。ただ景気低迷なために在庫過剰感があり、価格は完成在庫の値引きにつられるなどで平成25年1月には3236万円と直近の安値をつけました。
そこに、消費増税駆け込み需要と金利先高観とアベノミクスによる景気感の高まりで需要の先食いが発生して、1万1000戸に見合う需要が出て契約好調でした。そのため在庫過剰感は消えました。
そして平成25年3月に1万3137戸と手持ちの土地仕入文を全て出してきて、直近の最大戸数となりました。
4月・5月は3月に多く出たために平均1万戸前後と通常の戸数に戻りました。
そして6月から増えてきて平均1万2358戸と平成24年後半の1万1000戸からさらに1000戸増えて、通常からは20%も多く新規販売されるようになりました。価格も3300万円を超す水準で販売されています。
マンションの用地不足でてきているため新築一戸建て分譲の開発・販売意欲はマンションメーカーやハウスメーカーでも強くて、今後も1万2000戸の新規販売が出てくるものと見込まれます。
価格も良い土地の仕入競合が激しくて価格が上がり気味なので、新規販売価格としては上がるところなのですが、契約価格が思うように上がらないために、上げきれていません。
契約価格は所得・消費動向に左右されますが、所得が上がらないのに、電気代やガサリン代などの価格は上がっているために住宅へ振り向ける額が減っています。総務省の家計調査における「家賃」などは下がっています。そのために家賃並みの住宅ローンを組む人かが多い新築一戸建て分譲は契約価格が上がらないのです。
この仕入・販売価格の上昇傾向だが、契約価格は下降傾向にあるといううギャップが今後強まると思えます。