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竜巻で屋根が飛ばされたが、風速50メートルに耐える住宅は少ない。

投稿日:2013年9月5日

越谷市の竜巻が発生して一戸建てに被害が出ています。特に屋根が吹き飛ばされている映像が印象的です。それが古い家だけでなく比較的に新しい家でも起きていたことにショックを受けました。

今回の竜巻は「F2」と呼ばれる規模のもので風速が50メートルから69メートルくらいとされていますので越谷市では60メートル前後が吹いたものとされます。

建築基準法の規定では建物・屋根は風速30メートルに耐えれば良いとなっています。これが性能表示基準で「等級1」に相当します。耐風の基準の最高等級である「等級2」でその1.2倍ですので36メートルとなります。この耐風は地域によっても基準が違うのですが最高でも鹿児島の一部が対象の46メートルです。となると今回の竜巻に耐える設計をしている一戸建ては無かったといえるでしょう。それでは比較的に新しい一戸建てでも屋根が飛んでしまっても仕方ありません。ただ、それでは住んでいる人は済みません。今回の被害の周辺では、また竜巻が起きたら今度は自分の家が危ないと思っている人はたくさんいると思います。

この建築基準法の耐風規定は「500年に一度程度発生する暴風に対して倒壊・崩壊しない程度」です。この建築基準法の規定を作った時は竜巻が日本でこんなに起きるるとは考えていなかったし、確かに竜巻なんて数百年に一回であったのでしょう。

ところが、竜巻は栃木市でも発生しました。昨年にはつくば市でも発生しました。地球温暖化の影響などや、今年は異常気象であることなどがありますが、確実に言えることは、「日本においてF2の竜巻は500年に一度ではなくなった」ということです。

となると建築基準法の見直しが必要となるでしょう。その前に性能表示の耐風等級に3を作って、「60メートルの風に耐える」という規定を作る必要があるでしょう。

風速50メートル以上という事で言えば、確かに竜巻は珍しいのですが最近の台風では50メートルが出ていることが多いので、数年に一度は起きる現象といえます。とすると30年以内に70%の確率と言われる地震よりも至急の対策が必要となります。

特に、風速50メートルに耐える家はほとんど無いだけに深刻な事態であるかもしれません。

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