投稿日:2013年8月23日
一戸建ての建物の大きさについて中古戸建ての成約実績から推計したら、バブル崩壊以降は建物は小さくなってきていて、2010年以降は100㎡を切りました。
首都圏の戸建ての中古取引の今年1月から6月の成約事例を築年別に集計したところ、2010年から2012年の築年のものはたものが平均で98㎡となりバブル崩壊の1990年以降で一番小さくなりました。
「ウサギ小屋」と言われた1960年以前の建物の平均は95㎡でした。ただこれは今年取引されたものですから建物が築50年経っていますので、建築時にしっかりつくられたものだけが取引対象となっていて、小さくて耐久性の悪いものは全て解体となりますので実際より大きくなっていると思われます。
その1960年に95㎡となって以降は毎年建物が大きくなっていきました。それが1980年には100㎡を超えました。この1980年というと建築基準法が改正となり新耐震となった時で建物の品質が良くなった時期です。
そして1985年には106㎡と更に大きくなりました。これはバブルが始まったためです。そのバブルが絶頂となった1990年には119㎡と過去最大となりました。それ以降もこの数字を超える年は無いので、「バブル期」が日本の戸建ての歴史上最大の大きさということになります。
その「バブル」が崩壊した1995年は113㎡と少し小さくなり、2000年には105㎡となりました。2000年といえば品確法施工の年で建物品質が格段と高まり耐久性が高まった時期です。それで105㎡という大きさということは、戸建ての歴史的にはこの年代の建物が最も良いといえます。耐震性が高まり、耐久性も良くて、品質が良くて、設備も良くなり、大きいです。
それが2010年以降は98㎡となり100㎡を切ってしまいました。コストが上がってきたのですが価格が上げられないために建物を小さくしてトータルコストを下げたのです。となると今後も建物は小さくなると思え、「うさぎ小屋」と言われた1960年以前に戻ってしまいます。
一戸建ての良さは「大きい」ということですのですが、90㎡となると階段部分などを除くとマンションの70㎡と使用性は変わらなくなり、逆に3階建てとなると使い勝手は悪くなるといえます。
小さくなると真っ先に削られるのが「和室」ですが、これがなくなると一戸建ての特徴が失われます。来客対応なり親の対応なりができなくなるという可変性が失われるばかりでなく、日本古来の良さでもある「仏壇」とか「神棚」が置けなくなります。
すでにもうそんなものは無い住宅の方が多いですが、一戸建てからこのスペースが消えてしまうと、日本特有の文化が完全に消えてしまいます。先祖崇拝なり神様崇拝なりが薄いのが現代日本なのですが、それに輪をかけてしまい、家族なり一族なりの「絆」とか「和」の文化というものが軽薄となり日本特有精神文化が希薄になっていきます。
合理性だけでは心は醸成されません。「孤独死」などが増える一つの要因でもあるのですが、それに輪をかけているのが現在の住宅の建物の考え方になってしまっているといことを肝に命じてほしいです。