投稿日:2013年8月19日
財務省が貿易統計の7月を発表しましたが、1兆240億円の赤字で13ケ月連続の赤字となりました。輸入の増加が原因で、特に原粗油の増加が原因です。
平成25年7月の輸出は5兆9620億円で5ケ月連続の増加となり前年同月比では+12.2%と大きく増えました。円安による自動車輸出の好調によるものです。輸入は6兆9860億円で9ケ月連続の増加で前年同月比+19.6%と大きく増えています。原油の増加が大きいです。そのために貿易収支は1兆240億円の赤字で、13ケ月連続で赤字となり前年同月比で+93.7%も増えました。
貿易収支としては昨年6月のプラス以来なので13ケ月連続で赤字です。また、1月の特殊要因を除くと1兆円超えはここ2年で初めてです。円安による弊害が日本経済をボディブローのよう起きていて、足元の景気は良いと言ってますが、輸入物価の値上がりはますます悪くなると言えます。
輸入額が平成25年に入り大きく前年同月比を超えていて、7月は+19.6%と大きくなり近年の最大である6兆9860億円にまで膨れ上がりました。
6兆9860億円と近年最大となった中で一番多いのは、原油です。1兆939億円輸入していて、数量は2.4%の伸びにとどまるのですが、金額で30.2%も増えています。原油価格が上がっていることもありますが、円安によるものが大きいです。
震災後に輸入量が大きく増えて、その輸入量の増加が一段落したところに円安で金額が大きくふえてしまいました、そのために輸入額が19ケ月連続増加という結果につながってしまっています。日本経済としては「ふんだり蹴ったり」の典型です。
そこに中国からの「半導体等電子部品」の輸入が2224億円で金額として40.5%もの増加しなっています。iphoneやスマホなどですが組立工場が中国にあるために増えています。販売する各社にとっては増販につながり良いことですが、日本経済の統計的には懸念材料となっています。
そのために貿易赤字国としては、原油輸入の中近東・ロシア以外では中国が最大となっています。
そして輸出額も確かに円安により増えてはいます。ただ、その額は輸入の伸びよりも低くなっていることが「アベノミクス」の問題点です。
輸出額はずっと前年比と同じくらいで推移していましたが、5月にようやく前年よりも+5000億円くらい増えて、6月には+4000億円で7月は+6000億円となり、ここ3ケ月の前年同月比では+5000億円くらい増えています。
一番ふえているのが自動車で7月で7948億円の輸出とな前年同月比で+14.3%増えました。ただ数量的には▼0.7%減っていますので「円安」様様です。
同じことが「電算機類」で7月の輸出額318億円で前年同月比+21.1%と増えましたが、数量的には▼16.8%ものマイナスです。いかに「円安」が輸出企業の収益を好転しているかがみてとれます。
このようにアベノミクスの主たる政策は円安ですが、その恩恵は輸出大企業が大きく受けています。ただ原油の値上がりが激しいので、その負担は最終的に国民が負うことになります。つまりアベノミクス円安の正体は「輸出が5000億円増えて輸出企業は儲けたが、輸出は1兆円増えて一般庶民の負担額は大きくなっている」ということで「大企業をもうけさせるために、低所得庶民の光熱費が上がるのは仕方ない」というものです。
そして「貿易赤字」は「国際収支が黒字だから問題無い」とういうものではありません。いわば毎月の給料は赤字だけど、親からもらった株式配当で食っているようなものです。決して健全な姿ではなく、それが7月は毎月の赤字額が大きく膨らんでしまったということで、このままでは配当金の額を超える日も近くて、家計でいえば「放漫家計」と言えます。