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金融緩和が始まっているが、不動産にはあまり回っていない。

投稿日:2013年8月14日

アベノミクスによる「異次元の金融緩和」が始まりましたが、4月から6月では10兆円の貸し出し増となっています。年間30兆円ということなので、金額としては妥当な額といえるかもしれません。ただ貸し出し先の中で地方公共団体が貸出先別で2番目となり少し多いようです。

6月末の貸し出し残高を前年同月比でみると、合計で10兆円4523億円増えています。その貸し出し先別にみると

①個人 3兆7208億円増加

②地方公共団体 1兆4790億円

③製造業 1兆4305億円

④金融業・保険業 1兆2174億円

⑤電気・ガス・水道 8628億円

⑥不動産業 8047億円

となっていて、個人が一番となっています。これは住宅ローンが増えたことによるものです。消費増税の駆け込みや金利先高観で住宅の契約が増えていることによります。

次に地方行政となっています。これは国の借金が1000兆円を超えましたが、それ以外の借金です。つまり国の借金は1000兆円だけでなく、このように地方行政も借金漬けとなっていて、その額を増やしているのです。この地方行政の借入金残は25兆円となっています。それに地方債や特定債権がありますから、合わせると100兆円は軽くこして、国の純粋な借金は1200兆円に近付くものとなります。まだ日本には国内資産に対外資産など豊富にあるからいいですが、金融緩和のどさくさに紛れて増やすのは良くないです。

三番目に製造業となりました。これは日本経済をけん引する産業ですから、貸し出しを増やして設備投資をして生産力を向上するのは、貸出の本来目的ですので、1.4兆円だけでなく地方行政を超えて3兆円くらいになるべきでしょう。

四番目に金融業がきました。金融緩和で増えるのはここでしょう。他の業界に貸し出すにしても担保が無いために貸せない状態です。BS規制などがあるために無担保のリスク性の高い貸し出しはなかなかできません。

そのために金融緩和の本命とも目された不動産業は8047億円にとどまり全体増加額のわすが8%にとどまっています。これは公示地価などが下げ止まりの兆候が見えるとはいえ、まだ下げているために担保価値が下げているために、貸出を増やすに増やせないのです。あとはマンションのように事業性が見込めるものはプロジェクト資金として貸し出すこともできますが、それも誰でもいいと言うわけではなく、手持ち金が3割無いといけないなどの条件があるために、よく言われる「お金もちには貸したいが貧乏人には貸さない」状態となっています。それを裏付けているのが、8047億円の貸し出し増の半分以上が大企業への増額です。貸し出し残高としては不動産業向けの60兆円のうちで54兆円が中小企業で、大企業には6兆円にすきないのですが、貸し出し増加金額は中小企業が3500億円で大企業が4500億円と逆転しています。「借りたくない人に貸して、貸してほしい人には貸さない」そのものの状態です。日本の銀行の最大の欠点です。この辺は不動産の流通の阻害要因ともなっているものです。

特に中古住宅においては、土地は路線価の70%しか価値をみない上に建物はほとんど価値をみません。そのために実勢価格と大きな開きがあり、買いたくても住宅ローンが組めないために買えないという状態を平気で作り出しています。ひどい話しとして1980万円の中古住宅を買おうとしたら30%・600万円の頭金を用意しろというのです。そんな貯金があったら新築を買います。銀行も規定とはいいえ、あまりにひどい話です。

金融庁の役人が努力をしないのと銀行の人が努力をしなのが原因です。「規定だから貸せません。」というのは簡単です。それであれば銀行はいらないでしょう。もっともっと努力して知恵を絞りだしてください。もともとは偏差値の高い人たちなのですから、やればできるでしょう。

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