NEWS&TOPICS

単身世帯の30歳代の持家率が5%という数字の意味

投稿日:2013年7月4日

厚生労働省の「家計調査」報告の中に「持家率」という項目がありますが、それの平成24年度の平均をみてみると、単身世帯の39歳以下が5%と低くなっているのが目につきます。就職氷河期となり「ニート・フリーター」を大量に生み出した世代がそろそろ30歳にかかってきましたが、やはりその世代は独立して持家を持つのは難しいようです。親の家にいるので、そのままそこで過ごして、親の死後に相続して住み続けることになるのでしょう。そのため、新たに住宅を購入することはしない世代・属性の人達ということになります。

その厚生労働省のデータより「二人以上世帯の持家率」と「単身世帯の持家率」を抽出して比較分析してみました。

「二人以上世帯の持家率」は30歳代に66%まで上がるので、これは通常といえます。そしてそれが50歳代に92%となっていくという推移を経ます。これは30歳を過ぎると家族が増えたりして、アパート家賃を払うより、住宅ローンで持家を購入しようという気持ちになるのです。ただ、転勤世帯などは社宅で仕方なくというのもありますてので、40歳以降にも持家が徐々に増えて、定年が見えてきた50歳代に「終の棲家」を決めようとするのです。

それが単身世帯の30歳代がわずか5%と大きくへこんでいます。これは単身世帯の60歳以上が持家率75%となっていることより、持家志向は二人以上世帯とそうはかわらないと言えます。

ただ違うのは、現在の30歳代が1980年前後の生まれで、就職氷河期世代の中でも、一番厳しい就職活動を強いられた世代です。この世代が大学を卒業した2003年の新卒の就職率はたったの55%と最悪でした。ですのでフリーターにならざるを得なかったのです。そして、現在の日本ではいったんフリーターになってしまうと正規社員への道は厳しくなってしまうという現実です。正規社員になれたとしても、「キャリア」と呼ばれるような、その企業の幹部候補生にはなりないために、この世代の平均収入は低くなってしまっています。

そして、それは年齢を重ねるにつれて拡大してしまうのです。20歳代の時はアルバイトと正規社員の給与にそうは大きな差がありませんが、30歳代になって「サブマネージャー」と呼ばれるような職場のリーダーとなると格段と給与は上がります。ここから年収1000万超の道と一生年収200万以下の道に分かれてしまいます。それがそろそろ来たのです。

そのために2012年の単身世帯の持家率が大きく下がりました。ただ、これは親の家を相続しますので最終的には持家となりますが、新たに土地・住宅を購入することはありません。

足元の住宅販売は好調ですが、このように静かに需要は変化をしております。この厚生労働省のマクロ統計データのように表れているが、その理由に気が付かないと時代の変化に取り残されてしまいます。

トラックバックURL

ページの先頭へ