現金給与の5月は前年同期比0%で同じとなった。ただ所定内給与はマイナス。
投稿日:2013年7月3日
厚生労働省から月間現金給与の5月度が発表されましたが、前年同月比で+0.0%で前年同月と同じになりました。先月がプラス0.3%ですので2ケ月連続でマイナスではなくなりここ1年のマイナス傾向から脱しつつあるようにみえます。ただ所定内給与という毎月の定額の賃金限れば依然としてマイナス傾向となっているので、特別給与のようなもので全体は押し上げられていますが、基本給ベースでは上がっていません。
ここ1年の現金給与全体の推移をみるとマイナスがほとんどですが、改善傾向が見えます。
昨年4月はプラスであったのが5月にマイナスに下がりました。それ以降は8月の+0%を挟んで12月まで8ケ月連続でマイナスとなりました。それが平成25年に入り1月に+0.7%と9ケ月振りにプラスとなりました。ただ2月・3月はマイナスとなりましたが4月に+0.3%とプラスになり、5月は0%で回復傾向をみせています。
それを3ケ月移動平均でみると平成24年4月と5月はプラスでしたが6月にマイナスに下落してそれ以降は下降傾向にあり12月は-1.0%となり底を付けました。
それからアベノミクスによる景気回復期待により上昇に転じて、この5月には-0.1%までに上げてきました。この調子であれば6月にはプラスに転じます。
ただ本当にそうでしょうか?
月間現金給与の詳細データをみてみます。
労働者数が200万人以上の産業でみてみると所定内給与のマイナスが8業種中5業種がマイナスです。その5業種の労働者総数は3000万人います。現金給与のカウント労働者4600万人の7割をしめています。これではマイナスになります。
その所定内給与がマイナスとなる要因は一般労働者の人数の減少にあります。労働者数最大の卸・小売業でマイナスで、一般労働者数最大の製造業でもマイナスです。その代わりにパートタイマーの数が増えています。
ただ増えている業種が「医療・福祉」と「飲食サービス」でパートタイマーが増えていますが、これらは現金給与の額が25万を下回るという低い額の業種です。パートタイマーが多いので低いということもありますが、もともと低賃金でないと成り立たないために人件費総額を下げているともいえます。
また現金給与の業種平均をみてみると主力8業種で25万以下が4業種と半分となります。さらに労働者数の多い順にみると上位5業種で製造業以外の全てが25万円とっています。
つまり日本で労働者数の多い産業は平均給与が低くて、さらに下げているのです。これは製造業のように国際労働賃金比較にさらされているというより、内需型産業が多いです。
「卸・小売業」と「医療・福祉」と「「飲食」ですが、根本的原因は人口減少にあり、短期的にはデフレに原因があります。
それが、現在インフレに転換させようとしていますが、表面的短期的原因だけを対処しても、根本要因に対処できないのですから、賃上げにはなかなかつながりません。
人口減少を根本原因として、土地価格下落があり、耐久消費財の購入数も減ってしまっています。その原因に対処するには小手先ではダメで、文化を変えないと難しいです。
老後不安などを無くし、可処分所得の中での消費性向を高めないといけません。若年者の雇用不安や結婚不安などを取り除き、全員雇用・全員婚姻させる思い切った手が必要です。
渋沢栄一が産業を次々と起こして明治という時代を作ったように、新しい産業を起こして若年雇用を生んで、新しい時代をつくらないといけません。