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アメリカの住宅価格の4月は当面の壁を突き抜けて上昇した。

投稿日:2013年6月26日

アメリカの住宅価格の回復が顕著となってきました。

アメリカの住宅価格の推移を表す、S&P社のケースシラー住宅価格指数の2013年4月が発表となりましたが、アメリカ主要20都市の平均で152.37ポイントとなり前月比で+2.5ポイント上がり、前年同月比では+12.1%上がりました。この150ポイント超えはリーマンショック以来の高値更新となります。

2009年1月以降でみると、2009年4月に139.26ポイントで、2006年以来の3年に及ぶ下降局面の底をいったん打ちました。そこから反転して2010年8月には戻り高値の148.88を付けましたが、再び下降局面に入ってしまいました。

その下降局面は2012年3月の134.09まで約2年続き、リーマンショック以降の最安値をつけて、ようやく底を打ちました。

そして2012年の夏場は急回復をみせて146ポイントまで回復したあとは約半年は146ポイント前後で踊り場となりました。

それが2013年3月より急回復をみせて、4月に152.37ポイントと150ポイントをようやく突破してリーマンショック以来の最高値をつけました。

これでようやく天井突破して上昇局面入りとなったのですが、調査開始の2000年以降の指数の推移をみると

ピークの2006年7月の206.52からすると、まだまだ▼26%の下落です。

2009年以来の150ポイント以下の相場からようやく150ポイントの壁を突破したところですが、この先がどうなるかが問題です。

それを都市別にみてみると

前年比では主要20都市すべてが上昇していますが、大きく伸びたのはサンフランシスコ+23.9%とフェニックス+21.5%とラスベガス+22.8%とアトランタ+20.8%の4都市になります。

そのサンフランシスコは前年には指数の大きさとしては全米で8番目であったのが4番目まで上がってきてニューヨークを抜こうかというところまでにきていて、成長都市の代表です。

この上昇四都市のうち3都市は西部にあり、シャールガスなどによる産業勃興の恩恵が強いです。

また指数の絶対値が150以下が13都市あって20都市の半分以上なので、やはりまだまだ低いといえます。ただ11位以下の10都市の前年伸び率の平均は13.8%なので全体伸び率を押し上げています。特に下位4都市は20%以上の伸びが多く急激に水準を上げています。

それからすると、アメリカを代表するようなワシントンやニューヨークやロサンゼルスはすでに160ポイント以上となっていて回復をみせていますが、100ポイント以下だったデトロイトやアトランタなどの地方都市が急激な水準回復をしているので、全体としては150ポイント超えは一つの点で、まだ上昇してまずは175ポイント超えを目指すものと思えます。

ただ問題は金融緩和が年内の終了するとFRB議長が発言したので、資金流入が止まり、引上げになる可能性が高くて、その時に売却不動産の買い手の資金がどうなるかの問題があります。もともとリーマンショックの原因は住宅ローン会社の破たんによる新規資金の流入ストップにあったので、今回はどえなるか注目です。

それとシェールガス革命が今回の値上がりの一つの要因ですが、まだ輸出ができておらず、ある意味で含み収益期待というところがあります。それがパイプラインの整備やコンテナ船及び搬出港の整備などがうまくいき、価格が原油並みで決着しないことにはシェールガスの採算割れとなると、期待収益が吹っ飛んでしまいます。

この2つの要因がうまくいけば土地価格はまだまだ上がると考えられます。

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