投稿日:2013年6月18日
昨年12月のアベノミクスの導入以来、新築一戸建ての価格が上がり気味となています。
新築一戸建ての価格は「新規販売平均価格」と「販売中平均価格」と「契約平均価格」があります。
「新規販売価格」は発売開始して広告開始された価格です。それが建物完成したりすると価格変更になりやすくなる場合があります。
その価格変更されたものも含めて販売広告されたもの全ての価格を平均したものが「販売平均価格」になります。
そして契約される直前の販売広告価格が「契約価格」になります。場合により個別交渉で値段が下がることがありますが、それは購入者と販売企業しか知らないので、登記後に送られてくる「国税庁のおたずね」に正確な金額を記入すると国土交通省の集計データに入ります。
その契約価格が上昇しています。
全国で販売広告されたものを集計したものをみてみます。
新規販売価格の平年24年12月は3306万円でした。それが1月はやや下がり3236万円になりました。2月になり3310万円と戻して、3月はやや下がりましたが、4月・5月と上昇して3337万円となり昨年来の高値となりました。
上昇の要因は、一つは施工費の上昇です。職人の労賃が、東日本大震災による東北支援で職人の人数が減ってしまったことにより、少しづつ上げてきています。それに、安倍首相の人件費を上げて欲しいという要望により、4月より最低賃金が上がりました。建設職人は賃金が低い事が多くて最低賃金が上がると、それにつれて上がることが多いです。
そして、上昇の要因の二つ目として資材費の上昇があります。一番はサッシの卸値が上がっています。もともとサッシ会社は収益が悪かったことに加えて電気代の上昇がきて、円安がきてしまい、もう卸値をあげないと生産ができないところまできてしまい、とうとう死活問題として値上げ要請をビルダーに行い、この4月から上がっています。また、サッシ以外でも輸入にからむものは全て原価が上がっています。木材なども輸入が多いですから上がっています。この2つ以外にも、ほとんどの部資材が値上げ傾向にあるといっていいです。メーカーの力関係がビルダーより弱いために、なかなか値上げできないところも多いですが、時間の問題で「値上げか倒産か」で価格を上げざるをえないところが多いです。
そして、土地代が上がっています。
新築一戸建てはほとんどが住宅地に建設されることが多くて、田畑・山林を開拓して建てることは少ないために、需要が多い土地となります。現在の金融緩和により市場に資金が潤沢になったためにいろいろな法人が賃貸住宅を建てたり、貸事務所を建てたり、工場を建てたりすることが増えてきていて土地の競合が増えてきました。そのために平成24年度よりも1割前後上がってきています。
この3つの要因により新築一戸建ての価格が上がっています。
新規販売価格が上がるために、販売平均も上がりますが、契約価格は別の要因となります。
契約価格はお客様が買いたいものを選んで買うために、個人の支出の限界値で決まるといっていいでしょう。一番は住宅ローンがどの程度くめるかです。
住宅ローンは、年収と支払能力で決まります。おおむね、月の可処分所得の35%が支払限度といわれています。年収額にすると5倍から6倍と言われます。
また、住宅ローン額がとの程度組めるかは金利によっても大きく変わります。月の支払額が一定で金利が安ければ元本返済が大きくなりますから、より多く借りられるということです。
現在はやや上がりましたが、まだ市場最低水準の金利といっていいです。そのために昨年よりは契約できる額は上がるのです。ただ、景気が悪いと支払の限度は怖いので、少し余裕を見ようということになり契約額は上がらないのです。それが昨年の夏ぐらいでした。
ところがアベノミクスにより景気が良くなったので、住宅ローン限度額まで組もうという気持ちになり契約価格が上がってきました。
つまり今回の契約価格の上昇は市場最低水準の金利で組める余裕ができたところへ景気が良くなったのでその限度額まで組もうという景気マインドの高まりといえます。
また、市場最低金利水準でありながら、金利先高観が出たために、いまのうちに組んでおこうという動きでもあります。
それで昨年12月には3177万円であったのが4月は3278万円まで101万円も上げました。この調子であれば5月も上がるものと思えます。
それで、新規販売価格はまだ上がりますが、契約価格は金利次第といえるでしょう。その乖離が出た時に新規販売価格は頭打ちとなります。