投稿日:2013年6月5日
厚生労働省より毎月勤労統計調査報告の平成25年4月度分が発表されて、月間現金給与額の4月が出ましたが、前年同月比で0.3%のプラスとなり3ケ月振りのプラスとなりました。
昨年の4月は前年同月比+0.2%と少し増えました。ただその後平成25年1月まで8月の0%をはさんで8ケ月連続でマイナスとなりました。おもに製造業のマイナスが大きいのですが、労働人口の多い小売業などでパート比率の向上により現金給与額が減りました。給与額の高い正規社員の比率が減り、低いパート社員が増えたためです。
そして平成25年1月はプラスとなりました。これは不動産の好調による特別給与が多かったことがあります。つまり、契約が多かったので歩合給の方の報酬が多かったということです。
ただ、2月・3月は再びマイナスに転じました。製造業の所定内給与の減少によるものです。これは、正規社員の減少と非正規社員の増加によるものです。また小売業も同じく、パート社員の増加がありました。このように賃金のマイナスは現在の日本がおかれてる、世界的賃金水準からみると構造的なものともいえます。
その中で4月はプラスとなりました。ただ内容をみると、所定内給与は前年同月比0%と増えていません。その中身をみても不動産の増加が目立っていて、労働者人数の多い製造業などは相変わらずマイナスとなっています。不動産は景気よくなると社員を増やし、給料をあげますが、景気が悪くなるとすぐに社員を減らし、給料も減らす、流動性の高い業種です。そのために不動産による上げは安定的ではなく、すぐにマイナスとなる不安定要因といえます。一番体制なのは製造業の所定内給与が上がることなのですが、それが4月もマイナス0.9%ですので、4月の実質的な現金給与額はマイナスといえます。
4月でいうと、一番のマイナスは「飲食サービス業」で前年同月比▼1.7%でした。マスコミなどで、飲食業の社長が政府の要請を受けて給料を上げると宣言しましたが、確かに社員の給料は若干上がったのでしょうが、その人数が減っているのです。正規社員は前年同月比で▼2.8%・▼3万人減り、パートが+4.2%・12万人増えています。つまり社員を一人減らしてパートを4人増やしているのです。雇用総数としてはよいことかもしれませんが総人件費としてはマイナスとなる狡猾な計算です。つまり「飲食サービス業」は雇用を増やしているが、総人件費は減らしているということで、日本経済にとってはマイナスであるといえます。
製造業などは輸出の低迷と世界的人件費比較にさらされていめるため仕方ないところがありますが、国内需要である飲食サービス業くらいは総人件費の増加が前提で、正規社員の増加と賃金の上昇ということをやってほしいものです。競争相手が国内なのですから、いたずらに低価格競争を避けることはできると思います。それでも家計支出の外食費支出の低迷などがあるために、低価格競争を行い、そのために外国人労働者の活用などにより非正規社員を減らし、総人件費を減らすことを行っているのです。
「ハンバーガー100円」だとか、「牛丼280円」など消費者は喜びますが日本経済全体としてはよくないことをねなんとか改めてほしいと思います。