投稿日:2013年5月18日
オールアバウトが住宅に関する調査を行い、その中に「現在の持家をどうしたいか」という問いがあり、それに対して「リフォームしてそこに住み続けたい」という回答が33.3%で一番となっていて「何もせずに住み続ける」22.6%とその他の回答と合わせると、「現在の持家に住み続けたい」が74%となり、日本人の古くからの考え方である「一所懸命」が今も主流であることがわかります。
■問い「現在の持家を将来どうしたいか」
回答
①リフォームして、そこに住み続けたい 33.3%
②何もせずに住み続ける 22.6%
③売却したい 15.1%
④子や孫に住み継いでもらいたい 12.0%
⑤賃貸として貸したい 6.6%
⑥建て替えて、そこに住み続けたい 6.0%
この回答の「住みづけたい」という答えは合計で74%となり、「売却したい」という回答はわずか15%でした。
このように日本人のほとんどは、そこに住み続けられる限り住み続けたいと考えているといえます。
逆に言うとアメリカのようにライフステージに合わせて住み替えるというような考え方はなく、以前言われていた「住宅双六」も現在ではあまり無いといえます。
ただ、郊外の4LDKに後期高齢者の単身になっても住み続けるのはかなり無理があると思います。その意味で回答の中に「子や孫に住み継いでもらいたい」が12%あるというのも理解できます。
その背景には、現在の住居を売って、新しい住居を買うにはお金がかかり、そのお金は無いというのが大きな理由です。
郊外のバス便の4LDKは買うときに3000万以上しても、いざ売るとなると土地代しか残らない事が多いです。その現在売る人というのは30年前に買った人が多いため1980年代に購入した人が多く、そま時は郊外戸建ブームで土地価格は坪50万くらいした例が多いのですが、現在の郊外のバス便の土地は坪30万円がいいところです。となると現在売るとなると30坪×30万円=900万円がベースとなります。
それで新しく、日々の買い物の商業が近くて、病院が近いとなると駅に近い物件が多いのですが、その郊外2LDKマンションでも2800万近くします。となると、手元資金として1900万円は用意する必要があります。そのくらいの貯金はある人もいるのですが、それは「虎の子」ですから全部使い切ってしまうとその後の老後が不安になります。
そのために住み替えることはできず、あるとすれば介護ケアが必要になりどうしても専用施設にはいらざるをえない時です。
このように日本人が現在住居に住み続けるのは住居費の問題が多いといえます。現役の時は住宅ローンを支払うことができますが、年金生活になると住居費を出すことができなくなるという「貯金取り崩しの年金生活」のためです。
若年の時に購入した住宅が、後期高齢者になった時に、次の住宅を購入できるくらいの価値が残るようなものでなければならないのです。そんな新築一戸建てを買わなければならないです。