投稿日:2013年4月27日
新設住宅着工の2012年度は89万戸前後となりそうですが、これほど大きな戸数の国はアメリカ以外にありません。
日本がなぜ多いかというと、建て替えなどの注文住宅が30万戸は基本として、それに貸家が32万戸あり、分譲住宅が25万戸あるというバランスの妙があります。
その理由は
①首都・東京が戦争でほとんど住居が無くなったのに加えて、その後に急成長・急拡大したために住宅が量的に不足した。
②地震国であるために住宅に耐震性が求められるが、戦後の急成長の時にはその発想が欠落したために、1980年以前の住宅は質的に不備となり、質的観点からは量的に不足しているため。
この理由が大きなものです。
さらには
③地方から首都圏・近畿圏など大都市圏への人口移動が多いためアパートなどの住宅が不足した。
④加えて、世帯構成・家族構成が大きく変化したため、住居形態にミスマッチがおきた。特に単身世帯が大きく増えた。最近では老齢単身世帯も増えているが足りない。
この4つにより新設住宅着工のバランスの妙があり89万戸ができているのです。
ただ、耐震性のある1980年以降の住宅着工の累計は4100万戸を超えて、日本の全世帯の5100万世帯の8割までになっています。このまま89万戸を毎年着工したとすると11年で5100万を超えることになります。
その中においても、住宅形態のミスマッチが起きています。
日本の世帯の人数別の構成を国勢調査でみてみると、単身世帯が1588万世帯と一番多くなっています。ただこれは若年世代が多いのですが、高齢者単身世帯も増えています。これらは住むべき住居がまるで違うためミスマッチとなります。

さらに問題は、世帯人数が3人以上のいわゆるファミリー世代が2100万世帯となり、まだ一番多いのですが減少の一途にあるということです。
減少するということは、量的には新たな住宅はいらないということになってしまいます。ただ救いは、先ほどみたように、人口移動が多いため新たな需要が発生するのと、1980年以前の建物は、新たに買う人が少ないために解体される場合が多いというこが住宅着工を支えています。
また同じく国勢調査の数字で世帯人数別の住居形態をみてみると、単独世帯が1588万世帯いるのですが、持家での単独世帯が532万世帯あります。これがほとんど高齢者の単独世帯となります。今後これらが介護住宅なり老人専用住宅なりに移動することになりますが、まずこの老人向け住宅が不足しています。これがミスマッチの一つです。さらにこの532万の住宅はほとんどが1980年以前であることが多くて、解体もしくは空家になることが多いのです。これもある意味でミスマッチです。

さらには、二人以上世帯の持家が2592万世帯います。これが主に分譲住宅の対象となるのですが、伸びが5年で72万世帯ですので一年で14万世帯です。
単純計算では、分譲住宅は14万世帯が需要となるのですが、住宅着工は25万戸と倍以上になっています。これは大きなミスマッチです。
つまり今後の住宅着工というのは、住宅需要を細かくセグメント分けして対応しないと、単純に4LDKの郊外戸建分譲ばかり建ててもミスマッチを生むだけです。
URがサスティナビリティを考えた団地再構築をしていますが、若年世帯と高齢者世帯が仲良く楽しく暮らせる住宅であればミスマッチを解消しつつ、世代間扶助ができることになります。
今後の新築一戸建て分譲に求められるのはサスティナブル性が必須になってきます。そうしないと35歳前後で買った人が30年経って老人専用住宅なりに移動した後は解体なり空き家になってしまうという繰り返しになります。