投稿日:2013年2月14日
日本銀行が銀行などによる貸出金の新規貸し出しの合計を発表しました。平成24年10月から12月の国内全体の新規貸し出し金の合計は423兆9440億円で前年同期に比べると7兆7633億円(+1.9%)増えました。金融緩和により金融流動性を高めようとしていますが、2012年10月から12月においては+1.9%増えて、貸し出しレベルにおいてはインフレ目標の2%に近い数字となっています。
主な業種でみると、個人向けが120兆円で一番多くなっていて、前年から+2.9%増えています。主に自動車ローンと住宅ローンの増加によるものです。次に不動産業が貸し出し額では2番目となり60兆3089億円となり、+1.2%増えました。
住宅・不動産の関連でみると、不動産業は増えましたが建設業は前年同期より▼5.5%減りました。これは資金が実際の建築よりも、不動産ビジネスにお金が回っているということで、金融緩和の影響で土地・収益物件にお金が回るという「実態なきバブル」の芽といえるかもしれません。
その他の業種を見て増えたのは、製造業の電気機械で+20.4%と大きく増えました。これは金融モラトリアム法の影響が強いものであるのと、円安による生産拡大によるものと考えられます。また電気・ガス業が+15%と増えています。これは、電気の赤字による回転資金の増加に対応したものです。
あと増えたのは、金融+2.8%、地方公共団体+6.8%、医療福祉+2.7%などで、ある意味では実態経済ではない業種が増えています。
実態経済を伴うのは、情報通信業+5.0%と物品賃貸業+2.7%ですが、これらは成長産業ともいえて資金需要は旺盛であるといえます。この2業種のみが成長を伴っての資金需要といえます。
逆に、減ったのは製造業の輸送機械で▼9.4%減りました。これは、自動車産業の海外移転の進行によるものと、円安による業績回復により国内設備投資資金の返済が行われたものと考えます。あとは、生活関連サービス業▼3.2%、教育▼8.4%、宿泊業▼3.8%となります。主に人口減少を遠因とするもので、日本のデフレの一端をなしているものです。
このように2012年10月から12月の新規資金貸し出しをみると、+1.9%増えてはいますが、実態は+0.9%増加にとどまります。