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アメリカのケースシラー住宅指数の10月は回復途上だが、やや停滞

投稿日:2012年12月30日

アメリカS&P社が全米の住宅価格の動向を表している「ケースシラー住宅価格指数」の2012年10月を発表しましたが、146.08ポイントとなり前月よりやや下がりました。ただリーマンショック後の最安値である2012年2月の134.10からの回復途上にはまだあると見えます。

リーマンショック以降は上下を繰り返しなら緩やかに下降していて2012年2月に134.10と最低をつけました。その後に反転し9月には146.22まで回復して、10月やや下がりましたが回復途上にあるように見えます。ただリーマンショック後の最高値である2010年7月の148.88は超えていません。

このケースシラー住宅指数は20001年1月を100として価格推移を計算しています。

2000年1月に100としたものが価格が上がり2006年7月の206.52ポイントでピークとなりました。ここが上昇期です。グリーンスパン元FRB議長の論文を元とするサブプライムローンを軸とした、住宅金融の好回転期です。

そして2006年7月の206.52ポイントから急落して下降を続けて2009年4月に139.26ポイントまで下げました。ここが下落期です。サブプライムを拡大しすぎてローン破綻や住宅差し押さえが増えてきて負債が増えてきて、最後にリーマンショックとなりました。

その後2009年4月139.26から2012年5月138.97まで上下を繰り返していましたが、緩やかに下降していました。ここはボックス圏と言えます。住宅負債の償却期間と言えます。差し押さえされた物件の価格下落により、負債が膨れましたが、その物件の処理を少しづつ行っている時期です。日本では「失われた20年」ですが、アメリカはそれよりも短い期間で処理を行おうとしています。

都市別にみると

まずワシントンが191.0ポイント全米トップの回復をみせてまいす。

次に、ロサンゼルスとニューヨークがきていて、さすがに大都市は回復が早くなっています。

そしてこの夏以降の回復が良いのがロサンゼルスとサンディエゴとフェニックスとデロイトです。

IT産業は相変わらず好調でそこに自動車産業の回復が加わり、シェールガスが加わってきたために全米的に回復しています。

ですので100を切っているのは2都市のみになりました。

ただ、まだ不良債権は多くあるために、その処理次第では下落もありうります。

まずは150ポイントの回復が必要ですが、都市としては6都市のみとなっています。これが半分の10都市を超えてくると本格回復になります。

デトロイトが80.1と最低ですが6月比では8.9ポイント上げていて、この調子で行けばあと8ケ月で150ポイントを超えて行きます。財政の崖を乗り切って、自動車産業の回復が続けば超えてくるでしよう。とすれば来年夏が全米的に本格回復となります。

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