今年度の新築一戸建て分譲住宅の首都圏の住宅着工は5万8000戸の見込み
投稿日:2012年11月22日
新築一戸建て分譲の首都圏の住宅着工は昨年度で5万7726戸でしたが、今年度は5万8000戸の見込みです。
平成19年度は5万7463戸でしたが、平成20年度は建築基準法ショックにより4万9728戸と減って、平成21年度はリーマンショックの影響があり3万9587戸にまで落ちました。
その2年間の着工の低下のために販売在庫が減り、それで供給が需要よりも少なくなったために契約好調となり、平成22年度には5万5702戸まで着工が回復しました。
そして平成23年度には在庫が少なくて契約も好調であったために戸建分譲の住宅着工は6万戸を超えるものと思っていたところに、東日本大震災が起きました。
計画停電による生産・販売のストップが起き、次に被災地に対する心情的なものによる消費を控える雰囲気となり、その後、ホットスポット問題による契約低迷による着工の見送りが発生しました。さらに東京直下型地震や東南海地震の予測において、震度7地域の拡大や液状化危険地域の拡大による着工の見送りも起きて、6万戸を切りました。
■首都圏の戸建分譲の住宅着工の平成24年度は5万8000戸以下の見込み
そして平成24年度に入り、震災によるマインド低下から回復して着工も回復しましたが、ユーロ危機による輸出の減少をきっかけとして尖閣問題による中国輸出の減少が加わり景気が後退したために、夏以降の着工に陰りがでてきました。
この景気後退のベースには、平均所得の減少があり、そこに扶養控除などの実質増税が加わり、スマホ通信費の増加などが加わり、可処分所得の減少が底流にあります。
そのために契約が低迷しているなかで着工が増えていて在庫が増えています。それが24年度の下半期に着工の減少に繋がります。
その結果として、平成24年度の首都圏の新築一戸建て分譲の住宅着工は9月までの上半期の実績が2万9282戸で下半期は2万9000戸を若干下回り、年度では5万8000戸とみています。
ただ、戸建分譲企業の販売在庫資金の資金的問題によってはさらに下回り、4年ぶりに5万5000戸を下回ることもありうります。
また、マンションの着工が24年4月から9月までで3万5654戸で月平均5942戸なので年度とすれば7万戸を超える着工の多さですが、契約が低迷しているために販売在庫が3万戸を超えています。
それが、値引きになっているために新築一戸建て分譲の契約を圧迫しています。それも新築一戸建て分譲の着工のマイナス要因となっています。
■住宅着工予測はキチンとしないと住宅の中小企業に大きな影響が出る
このように住宅着工は様々な要因が合わさって出来上がります。まず、ベースとなる人口動態があり、景気動向など住宅購入心理顕在化要因があり、所得動向があります。そこに住宅企業の販売計画による着工意欲が加わり、金利動向などにより住宅着工ができてきます。
それも、持家の注文住宅と分譲は全然要因が違います。さらに賃貸はもっと要因が変わります。
そのため住宅着工の過去数の単純回帰分析による、「90万戸復活」というのは、あまりにも単純すぎると考えます。
「楽観的な数字で景気よく行こう」というのはいいのですが、企業の着工意欲をいたずらに増やせば、過剰在庫が増え、収益が悪くなり資金的余裕のない企業は倒産になったりします。
人口問題研究所が人口予測を大きくはずし、年金財政を危機的なものにしているのと同じことが建設業界にもおきています。
大企業は少々時代とズレた経営をしても体力があるためになんとかなりますが、中小企業はそうはいきません。その意味で住宅着工予測は、キチンと計算しないといけないと思ってます。