投稿日:2012年4月8日
新築一戸建てマイスターであるアトラクターズラボ・松沢が平成24年度の新設住宅着工を4月時点の補正で予測しました。
予測の基本は平成24年3月時点の人口数とそれによる住宅一時取得需要人数計算と平成24年2月現在の現金給与所得の推移と分譲デベロッパーの平成24年度のIRによる販売計画を根本として、それに金利動向・景気ウォッチャーによる景気動向と住宅ストック数と賃貸空室率と人口移動人数などを変数として加えて計算してあります。
■持家は29万8857戸(前年度▼2.2%)
持家の23年度は2月までで、28万2487戸で3月を2万3000戸と推測すると年計は30万5487戸となり前年度▼1.0%となります。
23年度は4月から6月までは前年度微減で推移しましたが、7月と8月にエコポイント締切とフラット35Sの締切という政策効果により、前年より7504戸増えました。ところがその政策効果の押し上げは、9月から12月の4ケ月で▼8714戸と、帳消しされてさらに▼1510戸減りました。
つまり23年度は政策効果は需要の先食いにすぎず、年度内に帳消しされてさらに▼1%となりました。
年齢別人口減少要因で▼2.38%あり、現金給与額要因で+0.1%なので、マクロ要因としては▼2.28%となります。
それに加えて東日本大震災の避難による地域喪失の着工減少要因があり、そこに復興需要+計画停電と放射能問題などによる東京よりの移動要因がプラスとして加わります。
それらすべての合計で23年度は22年度から▼5000戸の▼1.0%の減少となりました。

そして、24年度はマクロ要因として人口減少が▼1.49%あります。現金給与要因として2月は+0.7%であったので、それを年間として推計すれば、マクロ要因としては▼0.79%となります。
それに、避難による地域喪失要因がマイナスとして続き、復興需要+工場国内移転による需要がプラス要因として計算されます。
それらをすべて計算すると、22年度の月別推移の▼3.8%として推移すると考えられます。
となると平成24年度は平成22年度実績30万8517戸の▼3.8%の29万8857戸となります。
■貸家は27万5000戸(前年度▼4.2%)
貸家の平成23年度は3月を2万1000戸と推計すると28万7165戸となります。
例年の月別指数から大きくはずれて推移しました。
まず4月は震災の影響で東北の着工が減ったために前年同月より2000戸あまりのマイナスでスタートしました。
5月もその影響が残りマイナスとなりましたが、6月から復興需要と避難による借家需要が始まり、それに加えて
政策効果が加わり、7月と8月は大きく増えました。 この2ケ月で前年同月より+7271戸増えましたが、先食いに過ぎず、9月から12月までの前年マイナスは1万1229戸となり、▼4000戸あまり減りました。
その要因の大きなものは首都圏のワンルームのストック数の過剰による空室率の向上により、新規着工投資が大きく減少したためです。

そして平成24年度は平成22年度の人口減少マクロ要因の▼3.8%を基本として推移します。
その他の金利要因や政策要因はカウントするほどの大きな数字とはならないとすると、
平成24年は27万5000戸になります。
■分譲マンションは12万2000戸
分譲マンションの平成23年度は震災の影響で6月が8812戸と9000戸割れとなり、あとお客様の防災機能の要求の高まりを受けて、蓄電池設備や防災備品などの追加変更による設計変更により9月・10月が9000戸以下となりましたが、それ以外は1万戸を超えて順調に着工しました。

平成24年度は、テベロッパー各社がすでに販売用の土地仕入はすんでおり、販売計画は23年度の103%以上を組んでいるので、平成23年度の11万7000戸から105%増えて12万2000戸になります。
波乱要因として、3月末時点のマンションの販売在庫は首都圏だけで3万戸以上あるために、契約がスムーズ゜にいかないと、着々と竣工してくるために、新規着工が抑制される恐れがあります。
■戸建分譲は11万6500戸(前年比▼1.3%)
戸建分譲の平成23年度は、5月に震災の影響で8796戸と9000戸を割りましたが、6月以降はエコポイント駆け込みとフラット35S1%優遇申請期限などの政策効果があり大きく伸びました。
9月・10月とその反動減となりましたが、前年同月割れはわずかにとどまり、11月以降は前年を上回って推移しました。
戸建デベロッパー各社が販売用の土地在庫を増やしているため、それが着々と着工されてきたのが主要因です。それに、マンションデベなどがマンションだけでは販売計画が足らないために戸建分譲販売をしてきたことも増加要因です。

24年度は、デベロッパー各社が23年度よりも販売計画を増やしていて、すでに販売用の土地はかなりの確保をされています。
ただ、東北の復興工事に職人が行っており、施工キャパが限られています。特に、基礎職人と左官職人が不足気味で月1万戸前後が施工のキャパとなっています。
また、3月末時点で販売用の在庫が全国で4万戸を超えていて、これがさらに増えるようであれば、新規着工が抑制されてきます。
さらに、東京直下型地震や東南海地震による震度7が予想される地域が拡大していて、そこでの戸建分譲の着工は大きく減る見込みなので、マイナス要因となります。
そのために平成24年度は前半は1万戸前後であるが、後半は9500戸を割ってくると予想されて、年合計は11万6500戸と予測します。
■合計で平成24年度は82万1357戸で前年比▼1.7%
平成23年度は83万5396戸と推計されて、平成24年度は82万1357戸で前年▼1.7%と予測されます。

■住宅一時取得人口は前年比▼1.6%
住宅一次取得人口は25歳から39歳となっていて、分譲及び持家の着工の70%以上を占めます。
ですので、25歳から39歳の人口が住宅着に大きな要因となります。

平成24年は2474万人となり、前年から▼39万人・▼1.6%減ります。
特に25歳から29歳が減りますが、25歳以下の世代は一年代で140万人を割っていて、40歳に近づいた「団塊ジュニア」の一年代200万人の3割減となっているため住宅取得人口がへっているのです。
これが、住宅着工の減少の主要因です。
この減少傾向は現在6歳の104万人まで続くことになります。
ただ、住宅着工は人口数そのものもありますが、人口移動という要因もあります。
従来は地方より東京圏への移動がもっぱらで、そのために分譲の着工数が首都圏だけで全国の7割をしめるようなーになっていますが、昨年だけを言えば、東京圏からの移動も多くありました。
そのために福岡県や沖縄県などの住宅着工を押し上げています。
平成24年度に電力不足の影響や企業存続のために本社を東京だけでなく分割することや、農業就業支援などにより地方への移動が増えれば、住宅着工を押し上げる要因にはなります。
また、消費税導入が決定すれば、若干でも駆け込み需要が発生すると考えられます。
ただマイナス要因として、円高す・株式市場の低迷による意欲の低下、工場の海外移転による着工の抑制え、電力値上げやガソリン値上げなどによる可処分所得の減少と、若年層の就職困難による非正規雇用率の向上と、「バブル後世代」の所有を避ける傾向などがあります。
それらが発生すると80万戸を割ることも想定されます。