マイスターインストラクション

子育てに良い住宅

投稿日:2015年8月20日

■子育てに良い住宅

住宅を購入する理由の一番は「子供のためです」。色々なアンケートでも新築住宅購入理由のトップは「子供ため」です。

子供が大きくなり現在の住居が狭くなったり、子供の勉強のために部屋を用意したいと思ったりして、賃貸住宅から新築住宅の購入を決めた人が60%と多いです。であれば新築住宅を決めるには「子育てに良い住宅」である必要があります。
 では「子育てに良い住宅」とはどんな住宅でしょうか?
本などで有名な「頭の良い子が育つ家」で対象となっているのは、東大とか有名高校・中学に合格した子供の家の間取りを研究したものです。
子供が東大に受かるのは結構なことですが、多くの家庭がそうなるわけではありません。
進学以外で、子供がどのように育ったらいいのかというと
現代の社会においては
「どのような職業・会社・組織に入っても、夢を持って、前向きに取り組める、自立した人間になることです。」
この逆が「ニート」や「引きこもり」です。これらに準ずる軽度の精神疾患は全人口の3割にも達しているといわれます。これを引き起こす原因は、上司・同僚との人間関係がうまく作れずに、ちょっとしたことで仕事で失敗した時などに、誰にも相談などできずに一人で悩んでしまい、また上司に怒られるのじゃないかと会社に行くのが嫌になります。それが積み重なると、「出社拒否」になってしまい、それが続くと心が病んでしまい、体が動かなくなり「出社拒否」になってしまい、「ニート」や「ひきこもり」となってしまいます。
 これらにおいて大事なのは、「価値観の違う他人との共同生活をした経験」と、その時には「自分の思った通りにならならずに、社会道徳や常識・ルールに従わなければなないという経験」が必要です。また「自分は嫌だけど組織に所属する以上はやらなければならない」と思えることと、「やるからには、うまくやりたい」と思うことです。
 スポーツなどは、単純でつまらなくて苦しい基礎訓練を延々と繰り返し、それを自分の限界を超えた101%で行うことによって、素晴らしいブレーができる体と心が作られます。
 つまらないから、嫌だからといって基礎訓練をしないとどんなスポーツでもプレーできなくて試合に出られません。
 では「どのような職業・会社・組織に入っても、夢を持って、前向きに取り組める、自立した人間になる。」このような人間になれる子育てにはどうしたらいいのでしょうか

5つのポイントがあげられます。
①現代日本人として必要と思われている知識を習得する。
 主には小学校・中学校の義務教育の教科書の内容を身に着けている。つまり社会に出て、社会人として普通の会話・コミュニケーションを送ることができる。
 刑務所に何度も入る重犯罪人の特徴として、ひらがなが読めない人が多いそうです。なんらかにより小学校で習うことが身につかなかったために、一般社会が常識として「暗黙の了解」で進めてしまうことについていけずに、モラハラやいじめにあったりして反社会的に姿勢を強めてしまうのです。
この義務教育における宿題や予習・復習を親が子供と一緒になってやることが大切です。
過保護ではなくて、子供がやらない、やりたくない、解決できない、ことを一緒になって解決していって、学習習慣を身に着けることが大切です。

②社会性をつけるために団体生活を送る。
 人間は常に社会・団体・組織・集団・集まりの中で生きていきます。一人ではいきていけません。その中では独特のルールが作られ、自分の立ち位置と果たすべき役割や義務と権利ができます。
 これを学校のクラスでの授業やクラブ活動などの中で、多様な価値観をもった他人と共同生活をする中で身に着けていく必要があります。その中では、自分の考えと違う事を要求されたり、他人は普通でも自分はできないとか、モラハラや喧嘩やイジメなどがおきます。それらをどうしていくかを教師の助けや親の助けを得て、学んでいくのです。
 文部科学省の小学校。中学校の全国学力テストの上位に福井県は毎年ランクインします。その秘密を探るために、全国の教員が福井県の学校に1年間研修で行きノウハウを吸収しようという「福井らしさを探る会」の報告がありました。
 その中でポイントは
①規律と共有
②小中連携と教科縦持ちと学年会による生徒の状態の共有と個別対応
です。
特に「規律と共有」は
①無言清掃
  放課後に生徒が無言で雑巾がけ清掃をするもの。教師は無言で指さし指導をして見守り、生徒は各自の担当場所に行き1分間黙想をした後に無言で雑巾がけをする。終了後は振り返りの時間がある。
②生活時間の厳守
  登校時間の厳守に始まり、授業の開始2分前着席の徹底などをしている。教師自らが、それらを率先垂範することで、規律が保たれている。
これらを通じて社会団体生活を送るための「規律と共有」が身に着いているのです。そして社会性がベースとなり、学習に取り組む生活習慣と姿勢が身に付き、学力が伸びていくのです。

③親が自分の存在を肯定する。無償の愛情を注ぐ。
 「なぜ私は生きなければいけないのだろう」とか「生きていく意味がわからない」など自分が生きていく理由を探すということでなく、親の子供として生まれ、親にしてみると自分の一部であり、親から子供へ、さらにその子供へと「生命」をつなぐことが大切であることをわからせる必要があります。
 自我の確立を「親」というものをベースに確立するのです。
 そのため家族として生きていき、無償の愛情を注がれる存在であることを、話し聞かせるなど理解させなければなりません。それで自分の心のふるさとができて、自我が確立します。
 それには、対面キッチン、リビング階段、リビングスタディカウンターなどで、学校から帰ってきたら必ず「ただいま、お帰り」から始まり、「宿題は?」「算数の九九の5の段を覚えること」「じゃあ、お母さんが一緒にやってあげる」というふうに宿題・復習・予習から、「明日、雑巾もっていかなけゃいけないの」「じゃあ、今から作ってあげるね」というように明日の準備を一緒にすることです。これにより、日々必ず親子で会話する習慣が身についてきます。
 例えば「逆上がりができない」というような本人が困ったことでも、「お父さんもできなかったけど、おじいちゃんに教えてもらってできるようになった。今から公園に行って練習しようか」というように親子が一緒であることを話し続けることです。分譲地内とか近所に公園があるのは、こんなことに役に立ちます。

④近所に友達がいる。
 これは分譲地の最大の利点です。
同じ通学班ですから、学校から帰るのも似た時間になります。そして家に帰っていることがわかり、戸建てですからちょっと外から声をかけるだけで通じます。「○○ちゃん、遊ぼ」なんて昭和時代にはよくみかけた風景ですが、今ではマンションなどでは見かけなくなり、戸建分譲だけに見られる風景になってしまいました。特にコミュニティ道路のある戸建大型分譲ならではです。いつでも分譲地内のコミュニティ道路でサッカーができるのは、子供にとっては大変に貴重な環境といえます。さらに最近では公園で花火ができないので、花火をやったことのある小学生が半分以下という状況です。これも分譲地ならちょっと近所の子供と親が集まって、コミュニティ道路で花火をやることができます。少年少女時代の思い出として花火というのはとても大切な「心の財産」となります。
 この子供の成長過程において、一緒に遊び・話し・冒険していくことで親以外の他人と共有する時間を持つことで、他人から肯定されている自分を形成していくのです。

⑤本を読む。
 過去の人間が積み重ねた英知である本を読むことで、自分の中に引き出しが増えて、いろいろな事象や困難に対応できるようになります。
 これは学校で読書推薦して感想文提出などをするとやらざるを得ないですが、そうでないと親が「読め」と言ってもなかなか言うことをききません。そこでハリーポツターなどのようにとっつきやすいものから始めて、分譲地の親同士で話し合って、それを近所の友達で回し読みさせるように仕向けるのです。マンガの回し読みなどは子供の中で自発的にやりますが、それを親が仕掛けて「友達も読んでる」というふうにして本を読む習慣をつけさせるのです。これも分譲地ならではといえます。

「どのような職業・会社・組織に入っても、夢を持って、前向きに取り組める、自立した人間になる。」このような人間になる子育てとは
①現代日本人として必要と思われている知識を習得する。
・・・・・小学校・中学校の教科書・授業を理解する。
②社会性をつけるために団体生活を送る。
・・・・・できれば小中一貫校で「規律と共有」を学び、学習習慣を身に着ける。
③親が自分の存在を肯定する。無償の愛情を注ぐ。
・・・・・対面キッチンやリビング階段がこれらを促進します。
④近所に友達がいる。
・・・・・分譲地でコミュニティ道路があるとこれらを促進します。
⑤本を読む。
・・・・・分譲地で集まるところがあったり、子供会のようなものがあるといい。

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