マイスターインストラクション

新築一戸建ての7つの機能

投稿日:2013年7月26日

新築一戸建て分譲に求められる機能は

①   耐震性、②   地盤の強さ・改良、③   耐久性・メンテナンス性、④   省エネ性、⑤   耐火性、⑥   快適性、⑦   可変性

です。それぞれを詳細にみてみましょう。

耐震性

東南海地震などで震度7が予想されているので、震度7に耐えることが強い住宅の条件で「時代の標準」であるようなことをハウスメーカーなどが広告などでPRしてますが、これはある意味で誘導広告と言えます。

例えば埼玉県熊谷市の予想震度はほとんどの地域が震度6弱です。この震度6弱に耐える建物というのは、建築基準法に沿ったものであれば耐えます。ですので現在の戸建分譲は全て震度6弱に耐えることになります。であれば熊谷市で建てる住宅は普通の新築一戸建て分譲で充分であるということになります。

性能評価制度の耐震等級で言えば等級1が建築基準法と同じ基準で「数百年に一度の地震力に対して倒壊・崩壊しない程度」とされていて、等級2が等級1の1.25倍で震度では6強に耐えるとされていて、等級3は等級1の1.5倍で震度7に耐えると言われています。

この性能評価では「数百年」という曖昧な表現を使っていますが、これが制定された2000年の地震研究・地盤研究ではこれが精一杯でしたが、東日本大震災を経験して急速に地盤調査や地震研究が行われていて、現在では詳細に予想震度や液状化予測がなされています。

その震度7が予想されるエリアは全国的にはごく一部にすぎません。決して日本全国どこでも可能性があるというものではありません。各市役所のハザードマップは最新の研究をもとにしたものなので、これが「時代の標準」です。その予想震度に耐える耐震性を持った住宅にするそれが「時代の標準の耐震性」と言えます。

ハウスメーカーが震度7に耐えるものが「時代の標準」と言いたいなら、それを日本人の誰もが購入できるようにしなければなりません。

日本の持ち家率は90%近いもので、日本人のほとんどが持ち家に住んでいます。そして日本の平均世帯年収が550万円ですから6倍で3300万円の住宅購入となります。これが日本の住宅の標準であるべき姿です。このあるべき姿で震度7に耐えるものにするならば良いでしょう。ところがハウスメーカーの受注平均は3000万円近いものです。これに土地を足したら、3300万円で収まるわけがなくて、首都圏の平均で土地が坪40万円としたら30坪で1200万円ですから、土地+建物で4000万円を超えてしまいます。これでは「貧乏人は死ね」といっているようなものです。

住宅の耐震性で言えば、ハウスメーカーの広告にまどわされないで、地元の市役所の情報をもとに、地元の不動産・戸建分譲企業に聞くのがよいでしょう。

地盤の強さ

これもまず該当するエリアが液状化する可能性があるかどうか市役所のハザードマップで確認する必要があります。それで対策内容を吟味する必要があります。

例えば熊谷市ではほとんどの地域が液状化する可能性が「低い」とされています。であれば、普通の新築一戸建て分譲で問題ないでしょう。ただ液状化する可能性が「高い」とされているエリアも一部はあり、熊谷市の北東部の田園地帯のあたりです。ここは市街化調整区域となっていて住宅が建てられないエリアとなっています。ただもし、ここで建築するならば、建物が不同沈下しない確実な地盤改良の方法をとらないといけないです。

もし全壊すると建てなおしとなり1000万円以上はかかります。不同沈下であると水準調整のためジャッキアップが必要となり500万円を超える金額がかかります。

この液状化対策の確実な方法は地盤が固い支持層まで杭打ちをすることです。マンションで行われている方法です。あとはいろいろな方法が出されていますが、そこの地盤の特徴をとらまえ適切な対策となっているかを吟味しなければなりません。

昔に海や川や沼であって水分を多く含んでいる粘土層のようなものが地下何メートルにあるかで大きく変わるといえます。もし、弱い地盤が数メートル下で固い地盤が8メートル以内であれば8メートルの鋼管での柱状改良で地耐力は十分確保できるといえます。そうでなければ、弱い地盤をどれだけ改良しなければならないか変わります。

地盤に関していえば、液状化の可能性が「低い」地域での物件購入を考えるのが一番の選択肢といえます。

耐久性・メンテナンス性

新築一戸建て分譲は木造住宅であることが多く、それは構造材に木を使っています。木自体はメンテナンスさえ良ければ1000年持つことが京都の寺院などで証明されています。雨漏りなどで腐ったり、シロアリが発生したりしなければ良いのです。

そのために雨などが侵入しないように屋根や外壁の防水の劣化を防ぐ必要があります。それで10年に一回の塗装し直しなどが必要となるのです。

このように耐久性の一番は雨漏りを防ぐことです。

あとは、上下水道管の目詰まりを防ぐとか、交換のしやすさなどが求められます。最近の戸建分譲は集中ヘッダーやフレキ菅などを使い、メンテンナンスがしやすいようになっています。

その点で、耐久性は建物そのものの機能といてうよりメンテナンスにかかっているとも言えます。

省エネ性

これは新築一戸建て分譲にとって必要というより、政府などの要請に基づくものといえます。

地球温暖化対策目標の達成のために日本全体の省エネを考えると住宅の省エネが大きなウェイトを占めるので政府が住宅の省エネの基準を作っています。

基準としては「次世代省エネルギー基準」とか「トップランナー基準」とか「低炭素法認定基準」などあります。

これらは省エネ性が高くなれば、それだけ住宅の原価は高くなってしまいます。通常の建築基準法の基準と現在一番高いレベルの低炭素法基準とでは原価は100万円を超えるものとなる場合があります。

ただその住宅から消費者が受けるメリットとしての光熱費の削減は年間数万円というところです。

費用帯効果という観点では割りが合いません。

ただ戸建分譲においては、どの基準を採用するかは消費者が選べるものではありません。この費用は消費者も変わるものではありません。

ですので、購入しようとする物件がより高い基準の省エネ仕様になっていれば「ラッキー」程度のものと考えていいでしょう。

ただ太陽光発電となると、電気買い上げで電気代が安くなるというメリットがあります。ただし、現在の買い上げ料金は太陽光発電普及のために高く設定されていて、それで太陽光発電装置の代金が10年前後で回収できる計算になりますが、問題は買い上げ料金がいつまで高くなっているかです。

電力会社としてはコストの高い電力なために赤字です。現在はまだ少ないので良いですが、それが政府の言っている1000万戸についたら確実に買い上げ料金は大きく下げざるをえないでしょう。となると装置代金の回収期間はそれだけ長くなるとうことです。

また、発電効率が20年経ってもかわらないかどうかはわかりません。もし落ちてしまうとそれだけ回収期間がのびてしまいます。

ですので太陽光発電も買いたい新築一戸建て分譲についていれば「ラッキー」程度で考えるべきでしょう。

その他の省エネとして、高効率エアコンがありますが、これは電気代を安くしてくれるのとエコポイントつきで買えたら「お得な省エネ」と言えます。

つまり住宅の省エネというのは、国家政策が優先で個人のメリットではないので、買った戸建分譲についているもので良いということです。逆に省エネ性を基準にして購入選択をする必要はないといえます。

耐火性

これは新築一戸建て分譲において良く見る必要があります。

もし「もらい火」で全焼してしまうと誰からもお金はもらえず、火災保険もなかなか全額はおりないために建て直し費用は1000万円以上の持ち出しとなってしまいます。とすると住宅ローンが残っているのに、さらに住宅ローンを組まなければならず「二重ローン地獄」となってしまいます。

新築一戸建て分譲の耐火性を考える時に、まず隣の家との距離が問題です。

郊外の戸建分譲だと2メートル以上離れている場合があり、これだけ離れていると普通の外壁でも延焼が少ないでしょう。

問題は建築基準法の最低である1メートルしか離れていない場合です。この時は1時間以上の火災にも耐える「耐火基準」の外壁であるといいでしょう。「準耐火」でも問題は無いと言えますが、これこそ万が一があると大変なことになってしまいます。

地震が起きた時には震度にかかわらず、「隣の家が出火する可能性」は0%ということはあり得なくて、逆に起きるということを前提に考えたほうがいいでしょう。阪神大震災の地震が終わった後での火災の多さは目に焼きついていると思います。

また東京都が「木造密集問題」というもので地震の時の延焼予想マップを発表していますが、すさまじいものです。もし、家事をしている時間に地震がくるとかなりの確率で火災が発生してしまうということになっています。

そのために、隣の家との密集している場合は耐火基準が望ましいです。

郊外の新築一戸建て分譲であれば可能性は低いので、耐火性から言えば郊外の新築一戸建て分譲が望ましいでしょう。

快適性

新築一戸建て分譲が「家族で幸せに暮らす」ためのものである以上、快適性は欠かせません。

一番わかりやすいのがシステムバスです。

新築一戸建て分譲であれば一坪タイプのものがほとんどです。これは足を伸ばして入れる浴槽ですのでそれだけでも快適です。そして、子供とも入れる洗い場があり、明るくて清潔です。 さらに窓がついていると爽やかで快適なバスです。この快適さは、賃貸住宅から戸建分譲に入居した人の満足度ナンバーワンの評価です。

またマンションとの比較でも高いものがあります。どうしてもマンションの場合は窓が無く、狭いために、湿気が気になったりします。新築一戸建て分譲の窓のあるシステムバスは貴重なものといえます。

さらにリビングの広さと明るさです。15帖以上あると「広い」と感じるとのお客様アンケートがあります。また南側に窓があるととても明るいし、2面採光となるととても明るくなり、風通しもよくなり快適です。

そして、収納です。郊外戸建分譲には良くウォークインクローゼットがついています。これは整理がしやすくて、とても快適です。さらにファミリークロークなどあると季節物などが整理できて便利です。

そして駐車場です。家のすく横に止められるために大きな荷物などの運び入れも楽々です。我が家などは、水を箱で買ってきた時はリビング横の和室の掃出し窓から入れます。これは意外と快適です。

そして玄関収納です。最近はブーツが多いために、大きめの天井まである収納でないと収まりずらいです。マンションではどうしても小さくなってしまうので、新築一戸建て分譲の特徴といえるでしょう。

さらに言えばベビーカーなども玄関に簡単におけるのもいいです。

可変性

木造住宅の場合は構造壁・柱以外は自由に間取り変更できます。

サッシを変えたりも楽々です。ところが鉄骨住宅などの場合はサッシの変更も簡単ではありません。この可変性の高さは木造住宅の大きな特徴と言えます。

人気があるのがスケルトンインフィルというものです。2階の部屋で最初は12畳の大きな部屋にしておいて、子供が小さいうちは親子が川の字で寝るのです。そして子供が増えたりおおきくなったりすると、仕切って6畳の部屋を2つにするのです。

そして一階に和室を持っている郊外の新築一戸建て分譲は多いです。これであれば親が高齢単身になった時にすぐに同居して介護などもできます。

また増築や減築もできますので「家族と共に成長する家」といえるでしょう。

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