マイスターインストラクション

震災により家族のコミュニケーションの大切が認識されてきた。日本はこれを契機に人口減少よりの回復を図るべき。

投稿日:2012年3月29日

東日本大震災後の意識・行動の変化に関して、「絆」がテーマとなりまして、家族のコミュニケーションを深める傾向が高まったと言われますが、その裏付け調査が発表になりました。

ネットエイジアというところが震災前後の意識について調査したものです。
2012年2月に行われて、サンプル6000ケで層化二段抽出法によるという統計学的に信頼度が高いものです。

・家族とよりコミュニケーションをとるように心がけた 震災前46% 、震災後53.1% +7.1%
・仕事よりも家族や友人とのつきあいの優先度を上げた 震災前28.2%、震災後32.5% +4.3%
・隣近所の人とのコミュニケーションを取るようにした 震災前19.1%、震災後22.2% +3.1%
・見ず知らずの他人にも、気を配るようにした  震災前15.9%、震災後20.5%
・ネットを通じたコミュニケーションを取るようにした 震災前16.9%、震災後 19.0% +2.1%

一番増えたのは、「家族とのコミュニケーションをとるようにした」で震災前後で7%増えて、53%と半分以上の人がそう考えているのです。
震災の映像や情報により、家族がいなくなってしまうことの悲しさが痛感されたのです。
普通であれば、家族の誰かが死ぬ・いなくなるというのは、高齢者の自然死か子供の巣立ちが多いために、家族が一緒にいる、ある意味での「空気」のような「当たり前」の事が、とても大事なことであることが理解されたのです。
それで家族のコミュニケーションを大切にする風潮が出たのはとても良いことです。
「仕事よりも家族・友人のつきあいの優先度を上げた」も回答率が高まっています。
「仕事と家族の両立」という建前が崩れて、全ての基本は「家族」なんだという認識が深まったのは良いことです。
これを機に、現在は独身で借家に住んでいる人は、結婚をして家を買うことを前向きに考えて欲しいと思います。
それが、人間として、現代の日本人として、当たり前にまずやらなければならないことなんだという風潮に変わってほしいです。
私が育った1970年代では、いい大学を出て、いい会社に入って、結婚して、家を買って、子供を育てるのは、誰もが目指す普通の日本人像であって、そうでないことが、何か理由があるという風潮でした。
それが、現在は独身で借家でいることが特別なことではなく、普通のことと思われてしまっているし、当人たちも、ある意味で納得してしまっているところがマズイです。
日本が豊かな国として繁栄し続けるためには、人口減少が最大の問題です。
家族4人が日本人の標準型として、日本の文化として定着し続けなければいけないです。
現在の全国世帯平均人数3.1人はとてもマズイです。
ましてや、東京都はとうとう3人を割り、2.99人となってしまいました。
一人でいること、二人でいることは日本人としてあるべき姿ではないという社会にしなければいけません。
個々人の理由によって仕方無くというのはあってしするべきですが、あくきでも「理由があって仕方無く」です。
これにより「無縁社会」や「介護者の突然死によって要介護者が餓死する」などあってはいけないことです。

今回のアンケートで
「見ず知らずの他人にも気を配るようになった」が震災前よりも4.1%も伸びて20%となりました。
これは、とても良い風潮だと思います。

日本古来の農村社会が崩れて、それに代わるコミュニティの形が形成されていません。
団地やマンションのコンリートの壁に密閉された閉塞感により、他人とのコミュニケーションをとる必要も意識もなくなってしまったのが主要因ですが、一戸建てのように隣近所の息遣いや生活が感じられることが大切だと思います。
まずは「あいさつ」からです。
そして、自分の周りにいる、家族・隣近所・見知らぬ人をしっかり見つめて、興味を持ち、自分事としてかかわることが大切です。

このようなことが、今回の東日本大震災による教訓として日本人が感じていて、家族・社会のコミュニケーションが深まれば、東日本大震災の被害者の方々も浮かばれると思います。
「無駄死にではなかった」
できれば、未来の教科書に
「東日本大震災を契機に日本人はコミュニケーションに目覚めて、人口減少からの回復が始まった。」
「死者1万人以上の失った命の重さにより、日本の繁栄の礎が築かれた」
と書かれていて欲しいです。

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