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実質賃金は前年度マイナスで、5年連続で下げた。

投稿日:2016年5月23日

勤労統計調査の平成27年度の結果が厚生労働省より発表されました。
実質賃金指数は前年度より▼0.1ポイント下げて、5年連続の下げとなっています。
正社員の給与は上げているのですが、パートタイム労働者の人数が増えていて、平均賃金としては+0.2%の微増にとどまったために、物価上昇率に帳消しにされて前年マイナスとなりました。低所得者の生活が苦しくなっていることを示しています。
パートタイム労働者の平均給与が9万7933円にとどまっています。前年度比+0.5%上げているとはいえ、正社員の平均40万9063円とは大きな格差があります。パートタイムの給料だけで生活する世帯は苦しいといえます。
そのパートタイム労働者は1466万人いて前年度比で3.9%増えています。正社員の前年度比が+1.4%ですから倍以上の増加率となっています。飲食サービス業が+5.3%の伸びと増えています。この飲食サービス業はパートタイムが341万人で正社員が102万人ですからパートタイムによって成り立っている産業といえます。そのため平均給与が12万3057円と全産業平均の27万8704円の半分しかなく産業別給料では最低となっています。零細企業が多いために労働生産性が低いのが原因で、周辺業務のアウトソーシングや協業集約化などにより労働生産性を高める企業努力を業界上げて取り組まなければならないでしょう。
平均給料の高い順でベスト5の産業は労働者数が1000万人しかおらず、正社員863万でパートタイム145万人とパートタイム比率が低いです。金融保険業や情報通信業や建設業や教育・学習業なので同一労働同一賃金が進められているためもあるかもしれませんが、なんとか労働者総数をもっと増やしてもらいたいです。
平均給与で30万円以上もらっていて普通以上の生活が送れる人は1600万人しかいません。全国の5600万世帯の28%しかいないということになります。
この人数を増やさないと日本経済の活性化はありません。
平均給与が高くて、労働生産性が高い産業が業容を拡大して労働者数を増やすのが望ましい姿です。内需型の産業が多いのですが、海外展開などして業容を拡大すると日本経済には大きな貢献となります。その意味で世界有数の住宅着工数を誇る住宅産業の海外展開は有力なものとなります。

 

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