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住宅産業の次の時代の価値軸は

投稿日:2016年1月18日

1990年以前は「土地神話」があり「右肩上がりインフレ」があり「終身雇用・年功序列」があったために、借金して新築一戸建てを買えば、「土地は値上がりし、借金は給与で返して定年時にはゼロとなる」ので、正規雇用の会社員で子供のいる家族であれば100%購入すべき時代でした。また住宅ストック総数も全国世帯数よりも少ないので、新築住宅を買うべき時代でした。そのため新設住宅着工は160万戸を超えていました。
それが2016年現在は、「土地は人口減少により下がる」と思われていて、そのため「資産デフレ」であり、「実力主義という名の不安定雇用」であるので、借金して新築一戸建てを買うのはリスクを抱えることになります。「定期収入が途絶えると自己破産するリスク」や、「定年時にはまだ借金が残っていて、資産額よりも多い可能性があるリスク」や、「住宅ストック総数は全国世帯数よりも多い」ので空き家は800万戸以上あるから、贅沢しなければ住むところには困らない時代です。そのため新設住宅着工は100万戸を切っています。
そして2025年問題の時には、「産業や雇用の無い土地は限りなくゼロ円」になり、「高齢者は資産を持っているが、若年層は資産が無い」、「非正規雇用率は30%を超えていて、年収400万円以下が全体の半分以上で金融資産はゼロが多い」、「住宅ストック総数は6000万戸を超えて、全国世帯数5000万なので、空き家は1000万戸以上」となり、新設住宅着工は50万戸を切るようになります。
これでは住宅産業は「構造不況業種」となってしまいます。その始まりが2017年から始まります。
そうならないために2016年は大切な年です。
自動車産業は「高性能高機能」から「省エネ」に転換し、今後は「自動制御・自動運転」に価値軸を変化させています。
住宅産業は「高性能」から「省エネ」に転換したまではいいですが、これからはどんな価値軸を打ち出すのでしょうか。
私は「子供のいる家族の幸せ」だと思います。また「地縁社会の復活」だと思います。
高度成長・団地ブームが破壊した日本古来の住文化を復活させる必要があると思います。
その意味では「サスティナブル」が次の価値軸であるかもしれません。

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