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東南海地震のリスク

投稿日:2015年12月15日

経営戦略策定においてリスクとリターンを分析しますが、使う数字においてリスクは甘く見がちで、リターンは希望的観測が入いりがちです。
 また使う数字は結果であつて、そこに至る諸条件を把握分析していないで使う場合が多いです。
 東南海地震が30年以内に発生する確率は60%と政府が発表しています。そして、それによる震度と液状化予測及び住宅倒壊など防災ハザードマップも発表されています。この政府公式見解のリスクを経営戦略に入れているデベロッパーが少ないです。
 一番の問題は、耐震なり制振なり免振なり地盤改良なりそれぞれ何らかの地震対策を行っているのですが、それが東南海地震においてどれだけの効果を発揮するかどうかの検証や理論が十分でないためです。
 それぞれの地震対策はある一定の条件の元で効果を発揮します。その効果なり機能性は明示されているのですが、それが東南海地震の時にその条件下に入るかどうかが明示されていません。
 つまり「東南海地震で不同沈下したら、無償で元に戻します。」と明示されていないのです。
 三井不動産は杭打ち偽装に対して再建築すると明示しました。その他のマンションや戸建てが東南海地震に耐えられるかどうか明示しなさいとなったら、どうなるのでしょうか。
国土交通省の建築基準法改正を待つまでもなく、今住んでいる人にとっては知りたいことだと思います。
 そしてそれが明示されるとしたら、デベロッパーにとって大きなリスクになるのではと考えてしまいます。
 東京都と千葉県のハザードマップを見ていて、ふとそんなことを考えました。

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