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ギリシャにみる行動経済学的非合理的判断。日本は大丈夫?

投稿日:2015年7月8日

行動経済学に「双曲的割引モデル」というものがあり、今のギリシャそのものです。
行動経済学では「人間は非合理的な経済動物である」と定義していて、「双曲的割引モデル」では「人間は短期的に高い割引率を持ち、長期的には低い割引率となる」。つまり、「今が大事で、将来は何とかなるから先送り」ということです。
一番の例は、「タバコを吸っているとガンになる確率が買いのは医学的にも証明されているが、今日の一服くらい大丈夫だから、とりあえず今日は心落ち着くために吸っておこう」ということです。
 ギリシャは借金を返せなくても、今日は楽しく過ごせるし、明日はなんとかなるから生活を切り詰める必要は無いという判断が国民の60%以上なのです。将来のことなど何も考えていません。
 これは国際経済常識から大きくかけ離れたものです。非合理的な判断が正しいと思い込んでいます。
 ただギリシャのことを非難していますが、日本も借金を毎年増やしていて、大きな額となっています。違いは「借金はいけないことで、何とか減らそう」という意思があることです。しかし、その借金を減らす政策については、確立された理論的な裏付けはなくて希望的恣意的な理屈で動いています。これは「双曲的割引モデル」といえるでしょう。
 その意味ではギリシャも日本も同じと言えます。
日本は外貨を稼ぐ輸出産業がありますので、ギリシャのようにはならないとしても非合理的な経済判断は避けて欲しいと思います。
 高福祉になってしまっているので、高負担にならざるをえないです。税負担が増えるのは仕方ないところです。
 それであれば国立競技場に3000億円なんて無駄使いは許されないと思います。政治家と役人がこんな馬鹿なことをやってるから消費増税反対となって「非合理的な判断」を招く原因となるのです。

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